北海道釧路市
交流人口拡大支援地域ならではのコンテンツの創出やインバウンド施策、まちづくりなどをサポートします。
JALサ旅※プロデュース
※サウナ旅- 観光コンテンツ創出
釧路の魅力を五感で感じられる「サウナ」と観光資源を掛け合わせ、
新たな観光コンテンツを創出
取り組み背景・地域の課題
新たなサウナ施設や観光スポットが多数誕生している釧路エリア。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により観光客が減少したため、地域への誘客を図ろうと「くしろ広域観光誘致推進協議会」を中心に、地元の地域活性化に熱心なプレイヤーたちがこれまでも新しい観光コンテンツづくりや、魅力の発信に取り組んでいらっしゃいました。しかし、それぞれの観光スポットが「点」となっており、釧路エリア全体の「面」の魅力としてうまく発信されていないことや、特に女性の観光客が少ないことにお悩みでした。そこで今回、新しい切り口として「女性サウナー（サウナ愛好家）の聖地・釧路」を企画し、釧路エリア全体のプロモーションを手がけることで、誘客と認知度向上に向けた施策に挑戦。釧路エリアは、20代の女性に人気があるレトロな純喫茶をはじめ、看板街や写真映えする絶景スポットがあり、加えて、他の地域ではあまりないグループで入ることができるサウナ施設なども有しており、これらの魅力をキュレーションし、F1層をターゲットにした発信に取り組みました。
取り組み内容
「サウナ」「旅」をフックに、釧路への関心度が低かった方々も訪れたくなるような3つの施策をご提案し、釧路エリアへの誘客を図りました。
1 「行くきっかけ」の創出
Instagram
「私たちの釧路手帖 by ちゃーみー」公開
企画担当者（アカウント名：ちゃーみー）が実際に訪れて良かった釧路のサウナ、グルメ、レトロをキーワードにスポットを発信し、さらにメガインフルエンサーとのタイアップ投稿を実施。公開記念として首都圏および札幌の7つのサウナ施設にてオリジナルステッカーを配布したところ大変ご好評いただき、釧路＝サウナというイメージを抱いていただくことができました。
特設サイト「女性サウナーの聖地 釧路」公開
（Webメディア「ご当地サウナ委員会」内）
女子旅にぴったりなサウナ、グルメ、ホテルなどの観光情報や、釧路エリアの絶景サウナを手がけるサウナプロデューサーへのインタビュー記事などをサウナーに訴求し、認知獲得につながりました。
外部メディアを活用したプロモーション
テレビ番組や首都圏のオフィスエリアのデジタルサイネージを利用したプロモーションを実施することで、サウナー以外の方にも知っていただく機会を創出し、より多くの方から反響をいただいた他、SNSを駆使した発信によりメディアの総プレビュー数は約550万件に達し、釧路をサウナーの聖地として認知いただくことができました。
2 「行く手段」の創出
ツアー商品「JALサ旅（サウナ旅）ダイナミックパッケージ」への釧路・阿寒エリアの追加
JAL航空券・サウナ付きホテル・サ旅手形（サウナ日帰り入浴チケット）を自由に組み合わせてつくる「JALサ旅ダイナミックパッケージ」において、釧路・阿寒エリアの利用可能な施設を追加し、利用者数も好調で、首都圏および札幌エリアからの観光客数の増加につながりました。このように利用促進に努めたことで、多くの方に釧路・阿寒エリアに足を運んでいただく結果となりました。
割引クーポン配布
2022年12月～2023年3月の期間において、釧路・阿寒エリアの「JALサ旅ダイナミックパッケージ」をご利用いただいたお客さまを対象に、代金から8,000円割引するキャンペーンを自治体の補助金を活用して実施し、通常よりもお得な旅行代金でご提供することができました。お客さまからは、「旅行先として初めて釧路を選び、地域の魅力を知るきっかけになった」「行くか迷っていたところ割引があったので、釧路旅行の決め手となりました」とのお声をいただきました。
3 「行く目的」の創出
イベント「ご当地サウナミーティング in 釧路」開催
地元で活躍するご当地熱波師や釧路エリアのサウナプロデューサーをゲストに迎え、釧路市の地域活性化のキーパーソンや、北海道内外から50名以上の参加者とともに、雪景色と清流（水風呂）で“ととのう”サウナ体験の機会と、釧路ならではのジビエを楽しむBBQをサウナ飯として提供しました。会場は2023年1月にオープンした「FOX＆CRANE Cabin」。女性に喜んでいただけるよう、鏡やドライヤーを今回のために追加で設置し、女性目線を取り入れました。
取り組みの成果
これまで山口県長門市の「オソトサウナ長門」、秋田県の「秋田アドベンチャーサ旅」、北海道3市（札幌・函館・登別）とJR北海道と連携した取り組みなど、サ旅をテーマにした地域プロモーションを展開してきました。今回、釧路市では地域活性化に取り組むキーパーソンや、サウナ施設のご関係者が「JALサ旅」のビジョンに賛同くださり、かつ、釧路・阿寒エリアの老舗旅館「あかん遊久の里 鶴賀」のサウナをプロデュースし、女性サウナーで最も影響力のあるインフルエンサーにご協力いただいたことで「女性サウナーの聖地・釧路」として、エリア全体のプロモーションに一定の成果があがりました。さらに、釧路地域は夏が短く冬が長い、サウナ発祥の地といわれるフィンランドの気候によく似ており、また、2つの国立公園を有する豊かな大自然に恵まれ、サウナを含め魅力の溢れる美しい観光資源の宝庫であったことも、成果につながりました。
「サ旅」のこれまでの取り組み
- 山口県長門市
「オソトサウナ長門」をコンセプトにサウナメディア「日本全国ご当地サウナ委員会」で特設サイトを公開し、川床アウトドアサウナ体験などを紹介する他、老舗旅館におけるテントサウナのプラン導入支援・インフルエンサーによる魅力の発信などを実施。
詳しくはこちら - 秋田県
「秋田アドベンチャーサ旅」をコンセプトに特設サイト（同上）を公開し、サウナと同時に楽しめる大自然アクティビティなどを紹介する他、都内大規模サウナ施設での「秋田まるごとサウナ祭り」を開催。
詳しくはこちら - 北海道3市（函館・登別・札幌）
北海道旅客鉄道株式会社と連携し、函館・登別・札幌の周遊旅を促進するためのマイルを活用したキャンペーンの他、各エリアのサウナ施設やグルメ情報の発信などを実施。
詳しくはこちら
鶴居村をはじめとする釧路エリアには「これぞ北海道」と言えるような自然豊かなロケーションが多数存在しています。このロケーションを最大限活用して観光の目的地とする武器の 1つがサウナだと思っています。
昨年開催した「ご当地サウナミーティング」では、生粋のサウナーが集まりたいへん盛り上がりました。イベント以降も、サウナを目的に釧路エリアを巡っている観光客の方が非常に多く嬉しい限りです。引き続き、サウナを軸に釧路エリアをさらに盛り上げていきたいと思います。
（鶴居おもしろワークス（株）代表取締役 板宏哉）
JALは、2019年より「サ旅」と題して、サウナを日本の観光産業におけるキードライバーにするビジョンの下、サウナー（サウナ愛好家）、サウナ施設、地方自治体、パートナー企業と共創しながら、全国各地に遠征するサウナーに向けた旅行商品の造成やプロモーションなどさまざまなアプローチを手がけてきました。実際に1人のサウナファンとして釧路を訪れた際、ここにしかないサウナ体験に心をギュッと掴まれ、1人でも多くのお客さまとこの感動を共有したいと感じました。サウナの本場・フィンランドによく似た気候、木材の香りいっぱいのサウナ室、阿寒百年水に包まれる水風呂、静寂の中に小鳥のさえずりが響く外気浴、眼下に広がる国立公園の大自然、ポカポカの身体で楽しむソフトクリーム。五感で北海道を感じられる「ここにしかない」サウナ体験を地域の観光コンテンツに仕上げました。これからも「サ旅」を活用した地域における新たな価値創造、活性化をお手伝いしていきたいと思います。