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地域産業支援商品開発やプロモーションなどで地域特産物の価値を高め、地場産業を盛り上げます。

福岡県(福岡市、宗像市、朝倉市、北九州市)/鹿児島県(垂水市)

九州の新鮮な食材をタイへ!
バンコクの日本市場で「食材フェア」開催

  • 海外販路開拓
  • プロモーション

テレビ番組との連動プロモーションで、タイへの「モノ」の流動機会創出

日本生鮮卸売市場(バンコク・トンロー地区在)

取り組み背景・地域の課題

地方の農産物や漁獲された水産物は主に東京・豊洲へ出荷され、海外に輸出されていますが、地方から主要な物流拠点までの搬送コストは割高で価格競争も生じていたことから地方では海外輸出に積極的に取り組めない実情を抱えていました。
また、親日家が多く、バンコクでは日本食レストランが3000店舗を超すなか、タイでは2019年春から輸入規制が強化され、日本からの輸出が減少していました。
日本の食材を新鮮なまま海外に届けたい、地域の美味しい魅力を知ってもらいたいー。ヒト・モノの流れを創出し、航空輸送を担うJALは、山口・九州地区支社を中心にRKB毎日放送(株)(本社・福岡県)との協働プロジェクトとして九州産食材の海外展開に向けた取り組みを開始しました。

福岡県フェア(2019年12月開催)

鹿児島県垂水市フェア(2020年1月開催)

取り組み

総務省の「放送コンテンツ海外展開強化事業」に対し、西日本豪雨復興を目的とした西日本(広島から鹿児島)地区の海外プロモーションを企画。RKB毎日放送(株)が担う「番組制作とタイ・台湾での放送」に加え、海外輸出促進に向けた現地での地域産食材フェアの企画提案を行い、2019年夏に採択されました。
JALグループは日系企業や日本食レストランが多いタイ・バンコクのトンロー地区にある日本生鮮卸売市場「トンロー日本市場*」を舞台に、産地からの直送による食材フェア開催に向けて各地域と調整。最終的に福岡県4市(福岡市、宗像市、朝倉市、北九州市)、鹿児島県垂水市を選定し、2019年12月および2020年1月に開催、併せてRKB毎日放送による30分のドキュメンタリー番組「TASTY FOOD JAPAN」**を制作し、タイの地上波で放送しました。

海外輸出を行うには輸出許可を受けるためのさまざまな手続きが必要となりますが、タイの輸入規制に加え、品によって日本での輸出規制もあることから手続きは容易ではありませんでした。許可が下り次第実施できるよう関係者が一連となって手続きや手配を行い、福岡空港や鹿児島空港への搬入、羽田空港経由でバンコクへ空輸しトンロー市場へ配送という、輸送時間の短縮とともに鮮度を保ったままの状態での現地販売を実現。現場では試食はもちろんのこと魚の解体ショーや観光PRも行い、参加した地域の食と観光のプロモーションを展開しました。

  • 2019年12月開催
    福岡市、宗像市(イトヨリダイなどの鮮魚)、朝倉市(博多万能ねぎ、紅たでなどの農産物)、北九州市(キャベツ)
  • 2020年1月開催
    鹿児島県垂水市(カンパチなどの鮮魚、さつまいもなどの農産物)

*2018年6月にオープン。J VALUE CO., LTD((株)JALUX出資)運営。
**(例)鹿児島県垂水市:漁獲から鹿児空港への搬入、空輸(羽田空港経由でバンコク)、トンロー市場への配送に加え、現地仕入れ業者の購入からレストランでの提供、お客さまが食すまでのドキュメンタリー方式

鮮度の高い食材フェアを開催したことで、反響は大きく、現地のオーナーシェフからは継続的実施の要望や、日本のさまざまな鮮魚や青果を仕入れてほしいなどの要望を頂きました。また、初の海外輸出となった鹿児島県垂水市では、アジア圏に向けたカンパチの輸出を強化し、継続的に取り組まれていくことを決定されました。航空会社の輸送力を生かし、PR力のある放送局と組んだことで、日本食材の海外輸出促進へのサポートは一定の成果をあげています。

  • 朝倉市の「博多万能ねぎ」や北九州市の「キャベツ」が並ぶ農産物コーナー(福岡県フェア)

  • 賑わうトンロー日本市場内(鹿児島県垂水市フェア)

地域の声

トンロー市場での福岡県産鮮魚・青果物を扱った食材フェアの開催、誠にありがとうございました。JALグループ様の総合力によって食材を新鮮な状態で現地に輸送いただくことで、タイの皆さまにも福岡県産食材の品質と味の良さが伝わる機会となりました。来店されたお客さまやシェフの方々にも高い評価を頂き、今後の輸出拡大を大いに期待しております。
(福岡県農林水産部輸出促進課 原田雄太)

地域の声

本市の誇る生産量日本一の養殖カンパチ・地域限定のさつまいものプロモーションに多大なるご支援、ご協力を賜り、心より感謝申し上げます。本市基幹産業の振興に向けて、海外市場に活路を見いだせるものと実感することができました。これからもJALグループ様と連携することにより垂水市の宝である水産物をはじめとした数々の食材の魅力を世界に向けて発信し、元気なまちづくりに発展させたいと考えております。
(垂水市長 尾脇雅弥)